父と子と聖霊の御名によって。主の平和が皆さんとともにありますように。
主よ、憐れんでください。 キリストよ、憐れんでください。 主よ、憐れんでください。
聖書を愛し、神の言葉を自らの命の糧とした聖ヒエロニムスを記念する今日、私たちはヨブの苦しみと、イエスに従うことの厳しさを記した福音を読みます。ヨブは叫びます。「神は偉大なことを行われる、測り知れないほどに」。この言葉は、私たちの理解を超えた悲しみに直面したとき、魂の底から漏れ出る正直な告白です。ベンジャミン・ヴォ君が天の父のもとへ帰ってから三ヶ月が経ちました。今、この聖堂に集う皆さんの心、そして画面の向こうで祈る皆さんの心には、言葉にできないほどの深い穴が開いていることでしょう。
ヨブは、神が山を動かし、星を封じるほどの力を持つことを認めつつも、その神にどう応えればよいのか、どう対話すればよいのかと苦悩します。彼は言います。「神が近づいても、わたしには見えない。通り過ぎても、気づかない」。愛する人を失ったとき、私たちはまさにこのヨブのような場所に立たされます。神様は確かにそこにいらっしゃるはずなのに、その気配を感じることができず、ただ沈黙だけが部屋を満たしているような感覚。アランさん、タオさん、そしてライアン君。皆さんが今、夜の静けさの中で感じるその痛みは、決して神様への不信仰ではありません。それは、深く愛したからこそ抱く、魂の叫びです。ヨブもまた、その叫びを神様に向けてぶつけました。神様は、その叫びを拒まれませんでした。むしろ、その叫びの中にこそ、神様は寄り添っておられます。
今日の福音で、イエス様は「狐には穴があり、空の鳥には巣があるが、人の子には枕する所もない」と言われました。この言葉は、私たちの人生が、どれほど愛着のある場所や、慣れ親しんだ日常、あるいは将来の計画に満ちていても、最終的には神様という「家」へ向かう旅路であることを教えています。ベン君は、飛行機という、空を自由に飛び回る乗り物に魅せられていました。彼は、地上の重力に縛られず、もっと高いところへ、もっと広い世界へと羽ばたくことを夢見ていました。彼が考えた「コン・チム航空」という名前は、単なる子供の遊び心ではありませんでした。それは、魂が天の国という本来の目的地へ向かって飛翔したいという、純粋な憧れそのものでした。
アランさん、タオさん、どうか今、心に留めてください。あなた方は、ベン君というかけがえのない宝物を神様から預かり、彼が十五年間、この地上でこれほどまでに愛され、世界中を旅して多くの喜びを感じることができる環境を整えました。もし今、心の中に「もっと何かできたのではないか」「自分たちのせいで」という罪悪感がよぎるなら、どうかその重荷を今すぐ下ろしてください。病というものは、誰の罰でもなく、人間のいかなる注意や配慮をも超えたところで訪れる、この世の悲しい神秘です。ヨブの友人たちが彼を責めたように、私たちは時に自分自身を責めてしまいます。しかし、神様はあなた方を決して責めてはおられません。あなた方は何も見落としていません。ベン君は、あなた方の愛という最高の土壌で育ち、その魂を美しく開花させました。彼は、神様が望まれた通りの、完璧な人生を駆け抜けたのです。神様は、あなた方の涙の一滴一滴を御手で受け止めておられます。
ライアン君、お兄ちゃんは今もあなたのすぐそばにいます。あなたがこれから歩んでいく人生のどんな時も、お兄ちゃんは天国という一番高い空から、あの優しい笑顔で見守っています。あなたが笑い、自分の翼を広げて新しい空へと飛び立っていくこと。それこそが、お兄ちゃんにとって何よりの喜びです。悲しいときは、ふと空を見上げてみてください。お兄ちゃんが大好きだったあの飛行機が、雲の切れ間に航跡を描いていくように、あなたの歩む道を照らす光が必ず見つかります。お兄ちゃんが遺した知恵や、夢や、優しさは、すべてあなたの中に受け継がれています。あなたは一人ではありません。お兄ちゃんは、あなたが自分の人生という翼を広げ、愛と勇気をもって飛び立っていく姿を、天国から一番の特等席で応援してくれています。
ベン君が持っていたあの驚くべき優しさは、まさに福音の精神そのものでした。彼は、自分の持っている知性を、決して自分の誇りのためだけに使いませんでした。叔父様が病に倒れたとき、彼は迷わず、自分のすべてである貯金箱を差し出そうとしました。実際にその貯金箱を壊す必要はなかったとしても、彼が「僕の持っているすべてをあげたい」と心から願い、それを言葉にしたこと。それは、神様がもっとも喜ばれる「愛の捧げもの」でした。彼は、自分の持っているものすべてが、愛する人の苦しみを少しでも和らげることができるなら、それを惜しまないという心を持っていました。この純粋な無私の心こそが、彼を天の国へと繋ぐ、最も美しい翼となりました。
今日、私たちは聖ヒエロニムスを記念します。彼は聖書をラテン語に翻訳し、神の言葉を人々に届けました。彼の人生の情熱は、神の言葉を理解し、それを生きることにありました。ベン君の人生もまた、短いながらも、神様の愛という「聖なる物語」を鮮明に語りかけています。彼が家族に示した無条件の愛、彼が抱いた広い世界への好奇心、そして彼が周囲の人々を自然と笑顔にするあの温もり。それらはすべて、神様がこの世界に送ってくださった、愛のメッセージです。
画面の向こうでこの祈りに心を合わせているすべての方々へ。もし今、あなたが深い悲しみの中にいるなら、どうか知ってください。あなたの苦しみは、キリストの十字架と一つに結ばれています。神様は、あなたの涙をご存じです。どんなに暗い夜であっても、神様の愛は枯れることはありません。ベンジャミンの人生は、たとえ短かったとしても、神様が用意された「愛の設計図」を完璧に描き切った人生でした。彼は、自分を愛し、家族を愛し、そして世界を愛することを、最後まで貫き通しました。
今日、この祈りを終えてそれぞれの日常に戻るとき、ほんの少しだけでいいので、空を見上げてみてください。そして、自分を責める手を止めて、ただ深く息を吸い込んでみてください。ベンジャミンが教えてくれたように、ただ精一杯、今この瞬間を愛すること。それが、私たちにできる唯一の、そして最も美しい祈りです。愛は決して滅びません。ベンジャミンの愛も、皆さんの愛も、神様の愛の中で永遠に結ばれています。ベンジャミン・ヴォ君。あなたの美しい魂は、今、神様の無限の慈しみの中で永遠の安らぎの中にあります。あなたの遺した温かい愛の記憶は、私たちの心の中で消えることのない星として輝き続けます。どうか、あなたを愛してやまないご家族を、これからも優しく見守っていてください。平和の主が、アランさん、タオさん、ライアン君、そしてここに集うすべての人々に、深い癒やしと希望を注いでくださいますように。アーメン。
For the intentions entrusted to Ben on our prayer wall:
At the Savior’s command and formed by divine teaching, we dare to say:
天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。み国が来ますように。みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。 わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。アーメン。
主の祝福が皆さんとともにありますように。父と子と聖霊の御名によって。アーメン。
✝ 全能の神があなたを祝福し、父と、子と、聖霊の恵みがあなたとと もにありますように。アーメン。