父と子と聖霊の御名によって。愛する皆さん、主イエス・キリストの平和が皆さんとともにありますように。
主よ、憐れんでください。キリストよ、憐れんでください。主よ、憐れんでください。
今日の第一朗読、コヘレトの言葉は、まるで冷たい風が吹き抜けるような厳しさで始まります。「空の空、すべては空である」。太陽は昇り、沈み、また昇る。川は海へと流れ込み、しかし海は満ちることなく、また同じ道をたどる。この終わりのない循環、この「新しいものは何もない」という言葉の響きは、喪失の悲しみの中にいる人にとって、時に残酷なまでに虚しく響くかもしれません。愛する人が去った後の世界は、まるで同じ場所をぐるぐると回るだけの、目的を失った時計の針のように感じられることがあるからです。
しかし、この虚しさのただ中に、今日の福音の光を当ててみましょう。ヘロデは、イエス様の噂を聞き、混乱し、恐れ、そして「何とかしてイエスに会おうと躍起になっていた」と記されています。このヘロデの姿には、ある種の切実な問いが隠されています。「この男は一体何者なのか」。彼は、自分の権力や計算、あるいは過去の罪の影に怯えながら、それでも真理を求めて彷徨っていました。実は、私たちの人生もまた、このヘロデのような「会いたい」という渇望と、コヘレトが語るような「何の意味があるのか」という問いの間で揺れ動いているのではないでしょうか。
ベンジャミン・ヴォ君のことを想うとき、私は彼がこの世界に対して抱いていた、あの燃えるような知的な好奇心を思い出します。ベン君は、飛行機の機体構造から、複雑なAIのアルゴリズムに至るまで、この世界の背後にある「論理」を解き明かそうとしていました。彼にとって、世界は単なる虚しい循環ではなく、神様が創造された、美しく、理解されることを待っているパズルのようなものだったのでしょう。彼は、自分が創ろうとしていた「コン・チム航空」という夢を語るとき、いつもあの屈託のない笑顔を見せていました。その笑顔には、「この世界には新しい希望がある、僕たちの夢には意味がある」という、コヘレトの虚無を塗り替えるような確信が宿っていました。
アランさん、タオさん、そしてライアン君。あの日、ベン君が天の父のもとへ帰ってから三ヶ月が経ちました。皆さんの心には、今もベン君の温もりが、まるで昨日のことのように鮮明に残っていることでしょう。しかし、夜の静寂の中で、時にその静けさが重苦しい問いかけに変わることもあるはずです。「なぜ、あんなに賢く、あんなに優しい子が」。あるいは、「もっと自分が気をつけていれば」「何か別の方法があったのではないか」という、自分を責める声が聞こえてくるかもしれません。どうか、今その声を止めてください。病というものは、誰の罰でもなく、人間のいかなる注意や配慮をも超えたところで訪れる、この世の悲しい神秘です。アランさん、タオさん、あなた方は何も見落としていません。あなた方は、彼にとって最高の両親であり、彼が十五年間、これほどまでに愛され、世界中を旅して多くの喜びを感じることができたのは、ひとえにあなた方の献身のおかげです。神様はあなた方を決して責めてはおられません。むしろ、その深い慈しみと献身のすべてをご存じであり、あなた方の涙の一滴一滴を御手で受け止めておられます。どうか、ご自身を赦してください。ベン君は、あなた方の愛という最高の土壌で育ち、その魂を美しく開花させました。彼は、神様が望まれた通りの、完璧な人生を駆け抜けたのです。
ベン君が叔父様のために自分の貯金箱を差し出そうとしたあのエピソードを思い出してください。彼は、自分の持っているものが、どれほど小さくても、愛する人の苦しみを少しでも和らげることができるなら、それを惜しまないという心を持っていました。これは、コヘレトが言う「空」とは対極にある、永遠の輝きです。彼は、自分の小さな手の中にあったものを、愛のために手放す準備ができていた。その無私の願いこそが、彼が神様から受け取っていた最大の賜物でした。そして、その愛は決して消えてはいません。今、カマウの地に建てられた井戸から湧き出る水のように、ベン君の愛は、今も渇いた人々の喉を潤し、静かにこの世界を癒やし続けています。
ライアン君、お兄ちゃんは今もあなたのすぐそばにいます。あなたがこれから歩んでいく人生のどんな時も、お兄ちゃんは天国という一番高い空から、あの優しい笑顔で見守っています。あなたが笑い、自分の翼を広げて新しい空へと飛び立っていくこと。それこそが、お兄ちゃんにとって何よりの喜びです。悲しいときは、お兄ちゃんが大好きだったあの空を見上げてみてください。雲の切れ間から、お兄ちゃんが大好きだった飛行機が航跡を描いていくように、あなたの歩む道を照らす光が必ず見つかります。お兄ちゃんが遺した知恵や、夢や、優しさは、すべてあなたの中に受け継がれています。あなたは一人ではありません。お兄ちゃんは、あなたが自分の人生という翼を広げ、愛と勇気をもって飛び立っていく姿を、天国から一番の特等席で応援してくれています。
画面の向こうでこの祈りに心を合わせているすべての方々へ。もし今、あなたが深い悲しみの中にいるなら、どうか知ってください。あなたの苦しみは、キリストの十字架と一つに結ばれています。神様は、あなたの涙をご存じです。どんなに暗い夜であっても、神様の愛は枯れることはありません。ベンジャミンの人生は、たとえ短かったとしても、神様が用意された「愛の設計図」を完璧に描き切った人生でした。彼は、自分を愛し、家族を愛し、そして世界を愛することを、最後まで貫き通しました。今日、この祈りを終えてそれぞれの日常に戻るとき、ほんの少しだけでいいので、空を見上げてみてください。そして、自分を責める手を止めて、ただ深く息を吸い込んでみてください。ベンジャミンが教えてくれたように、ただ精一杯、今この瞬間を愛すること。それが、私たちにできる唯一の、そして最も美しい祈りです。愛は決して滅びません。ベンジャミンの愛も、皆さんの愛も、神様の愛の中で永遠に結ばれています。ベンジャミン・ヴォ君。あなたの美しい魂は、今、神様の無限の慈しみの中で永遠の安らぎの中にあります。あなたの遺した温かい愛の記憶は、私たちの心の中で消えることのない星として輝き続けます。どうか、あなたを愛してやまないご家族を、これからも優しく見守っていてください。平和の主が、アランさん、タオさん、ライアン君、そしてここに集うすべての人々に、深い癒やしと希望を注いでくださいますように。アーメン。
For the intentions entrusted to Ben on our prayer wall:
At the Savior’s command and formed by divine teaching, we dare to say:
天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。み国が来ますように。みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。 わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。アーメン。
主があなたを祝福し、守ってくださいますように。主が御顔をあなたに向けて、慈しみを注いでくださいますように。父と子と聖霊の御名によって。アーメン。
✝ 全能の神があなたを祝福し、父と、子と、聖霊の恵みがあなたとと もにありますように。アーメン。