父と子と聖霊の御名によって。主イエス・キリストの恵みと平和が、皆さんとともにありますように。
主よ、憐れんでください。 キリストよ、憐れんでください。 主よ、憐れんでください。
今日の福音で、イエス様は「種まき」のたとえを話されました。種は神の言葉であり、それは私たちの心という土壌に蒔かれます。道端に落ちた種、岩地に落ちた種、茨の中に落ちた種、そして良い土に落ちた種。それぞれの場所で、種は異なる運命をたどります。しかし、今日、私たちの心に深く響くのは、良い土に落ちた種が「忍耐」によって実を結ぶという箇所です。この「忍耐」という言葉を、私たちは今日、ベンジャミン・ヴォ君という、あまりにも早く空へと飛び立っていった少年の人生を鏡として、静かに見つめてみたいのです。
ベンジャミンという少年を想うとき、彼の繊細で、かつ力強い好奇心を思い出します。彼はまるで、新しい土地を探し求め、最も効率的で美しい航路を計算するパイロットのようでした。彼が愛した飛行機、特にボーイング737への情熱や、彼が夢見ていた「コン・チム航空」という名前には、空への純粋な憧れと、何よりも「遠くへ行きたい」「世界を知りたい」という彼の生命力の輝きが宿っていました。彼は、自分に与えられた十五年という時間を、ただ漫然と過ごすのではなく、まるで精巧なプログラムを組むように、一つひとつの瞬間に愛と喜びを詰め込んで生きていました。彼が父親であるアランさんと共に、世界中の空港で飛行機を眺めていたあの時間は、彼らにとって、神様が用意してくださった「良い土」そのものだったのではないでしょうか。
しかし今、アランさん、タオさん、そしてライアン君。皆さんの心には、ベン君がいたはずの場所が空席となり、その静寂が、まるで終わりのない冬のように感じられることがあるかもしれません。朝、彼がいつも笑顔で「おはよう」と声をかけてくれたあの記憶が、今の静けさと対照的であればあるほど、胸は締め付けられるような痛みを覚えるはずです。時には、「なぜ」という問いが、夜中の静寂の中で、まるで鋭い棘のように心を刺すこともあるでしょう。「もっと何かできたのではないか」「あの時、別の選択をしていれば」という思いが、自分を責める声となって聞こえてくることもあるかもしれません。どうか今日、その重すぎる石を、主の足元に下ろしてください。ベン君の旅立ちは、あなた方の落ち度ではありません。病は、誰の罰でもなく、人間のいかなる注意や配慮をも超えたところで訪れる、この世の悲しい神秘です。神様はあなた方を決して責めてはおられません。むしろ、ベン君という輝く魂を、十五年間、これ以上ないほどの深い慈しみで育み、彼が愛に満ちた人生を送れるよう支え続けたあなた方のその親としての手を、神様は誰よりも尊び、祝福しておられます。あなた方は、ベン君にとって最高の両親でした。何も見落としてはいません。何も間違っていません。ただ、神様が彼を愛し、ご自身の懐へと招かれたのです。
聖パウロは第一朗読でこう言いました。「蒔かれるときは朽ちるものでも、朽ちないもので復活し、蒔かれるときは卑しいものでも、輝かしいもので復活する」。この言葉は、ベンジャミンの人生そのものを言い表しているようです。彼がこの世で蒔いた種は、確かに小さく、そしてあまりに早く刈り取られたように見えました。しかし、キリストにある復活において、その種は「朽ちないもの」として、神の栄光の中で新たな命を芽吹かせているのです。彼が叔父様のために自分の貯金箱を差し出そうとしたあの純粋な心。実際にそれを壊す必要はなかったとしても、彼が「僕の持っているすべてをあげたい」と願ったその心こそが、天の父の目には何よりも尊い捧げものでした。その愛は、カマウの地に建てられた「愛の井戸」となって、今も渇いた人々の喉を潤し、見知らぬ人々の命を支えています。ベン君の人生は、決して途切れたのではありません。それは、愛という形を変えて、今もこの世界で流れ続けているのです。
ライアン君。お兄ちゃんは今もあなたのすぐそばにいます。あなたがこれから歩んでいく人生のどんな時も、お兄ちゃんは天国という一番高い空から、あの優しい笑顔で見守っています。あなたが笑い、自分の翼を広げて新しい空へと飛び立っていくこと。それこそが、お兄ちゃんにとって何よりの喜びです。悲しいときは、ふと空を見上げてみてください。雲の切れ間から、お兄ちゃんが大好きだったあの飛行機が航跡を描いていくように、あなたの歩む道を照らす光が必ず見つかります。お兄ちゃんが遺した知恵や、夢や、優しさは、すべてあなたの中に受け継がれています。あなたは一人ではありません。お兄ちゃんは、あなたが自分の人生という翼を広げ、愛と勇気をもって飛び立っていく姿を、天国から一番の特等席で応援してくれています。
画面の向こうでこの祈りに心を合わせているすべての方々へ。もし今、あなたが深い悲しみの中にいるなら、どうか知ってください。あなたの苦しみは、キリストの十字架と一つに結ばれています。神様は、あなたの涙をご存じです。どんなに暗い夜であっても、神様の愛は枯れることはありません。ベンジャミンの人生は、たとえ短かったとしても、神様が用意された「愛の設計図」を完璧に描き切った人生でした。彼は、自分を愛し、家族を愛し、そして世界を愛することを、最後まで貫き通しました。
今日、この祈りを終えてそれぞれの日常に戻るとき、ほんの少しだけでいいので、空を見上げてみてください。そして、自分を責める手を止めて、ただ深く息を吸い込んでみてください。ベンジャミンが教えてくれたように、ただ精一杯、今この瞬間を愛すること。それが、私たちにできる唯一の、そして最も美しい祈りです。愛は決して滅びません。ベンジャミンの愛も、皆さんの愛も、神様の愛の中で永遠に結ばれています。ベンジャミン・ヴォ君。あなたの美しい魂は、今、神様の無限の慈しみの中で永遠の安らぎの中にあります。どうか、あなたを愛してやまないご家族を、これからも優しく見守っていてください。平和の主が、アランさん、タオさん、ライアン君、そしてここに集うすべての人々に、深い癒やしと希望を注いでくださいますように。アーメン。
For the intentions entrusted to Ben on our prayer wall:
At the Savior’s command and formed by divine teaching, we dare to say:
天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。み国が来ますように。みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。 わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。アーメン。
主があなたを祝福し、あなたを守られますように。主が御顔をあなたに向けて、あなたを照らし、平和を与えてくださいますように。
✝ 全能の神があなたを祝福し、父と、子と、聖霊の恵みがあなたとと もにありますように。アーメン。